2021/10/16 改稿
先日、走行中にシフトインナーワイヤーが破断してしまい、ギアが一番重い位置から動かせなくなってしまいました。
そこで今回はシマノ ラピッドファイアーシフト(所謂トリガーシフト)でのシフトワイヤー交換手順について、画像を交えながら解説していきます。
必要なもの
・シフトワイヤー(MTB用規格)
ステンレス製はさびにくく長寿命。
・5mm六角レンチ(セットでそろえておいた方が便利)
自転車、特にスポーツ車ではありとあらゆる箇所でこれが必要になるので、持っておいて損はありません。
・プラスドライバー(シフターの機種による)
自転車でドライバーを必要とするパーツは多くありません。
プラスとマイナスで大小数種類あれば困らないかと。
作業手順
ワイヤーを固定するネジの形状、サイズは何通りかあるので事前に調べておきましょう。
大まかな手順としては、
・元々のワイヤーの取り回しを確認
・元々のワイヤーを取り外す
・元の形に新品を取り付ける
という形です。
注意事項
・作業は全て、トップギア(一番重いギア)に入れた状態で行います。
・「元々の取り回しを確認」は絶対に行い、撮影するなどして記録しましょう。
忘れてしまうと元に戻せないので注意。
ワイヤー取り外し
最初に、六角レンチでディレイラー(ギア)にワイヤーを固定しているボルトを緩めます。
インナーエンドキャップがついている場合は切断するなどして取り除いてください。
次に、シフター(手元にあるギアを変える部分)からワイヤーを抜き取ります。
画像では分かりにくいですが、シフトレバーの付け根付近に丸い穴があります。
大きなプラスのネジで塞がれている場合もありますので、確認してください。塞がれている場合はネジを外す必要があります。
アウターワイヤーをもとの位置から少し抜き取り、インナーワイヤーをハンドル内側方向から外側方向に向かって押し込み、シフターの反対側から出てきたワイヤーをつかんで引き抜きます。
コツを掴むまでは苦労しますが、ここは練習あるのみです。
新しいワイヤーの取り付け
ここからは取付作業に入ります。
インナーワイヤーを先程と逆にシフターのバーエンド側から通し、アウターを元通り通していきます。
取り回しが決まったら、ディレイラーにワイヤーを固定していきます。
このとき、ディレイラーのアジャストボルトは一番締めこんだ状態にしておくのがポイント。後からセッティングしやすくする為です。
ワイヤーをピンと張って固定してから、アジャストボルトで微調整をします。
1速(ロー)に入らない、シフトダウンしない場合、アジャストボルトを反時計回りに回してワイヤーを張ることにより解決します。
それでもダメな場合はアジャストボルトをもう一度時計回りに締め込み、ワイヤーの固定を解除し、手でワイヤーを引っ張ってピンと張り、再度ワイヤーを固定する手順を踏んでください。
もっとも、アジャストボルトは微調整用なので、極力手でワイヤーを引っ張って張るようにしてください。
余ったワイヤーを切断して、インナーエンドキャップを取り付ければ完成です。
インナーエンドキャップはほとんどの場合ワイヤーに付属しているので、付属品を使えば大丈夫です。
これで交換は完了。
Tips
インナーエンドキャップの付属がない場合は熱収縮チューブをかぶせ、収縮させてやるとほつれ防止に有効で、その後もインナーエンドキャップと同じ役割を果たしてくれます。
また、熱可塑性樹脂をライターで炙って、インナーワイヤー先端に垂らすという裏技もあります。
また、取り付け前にアウターワイヤー内側にCRC シリコーンルブを吹き込んでおくと、より軽い力でシフトチェンジできるようになります。